秀808の平凡日誌

第弐拾話 逆転


 スノウの斬撃を受け止めた物は、何者かが『ミラーメラーミスト』で投げつけた『タイダルポスト』であtった。

 『タイダルポスト』はダグを守護するかのように回りを旋回している。

「ダグ!大丈夫か!?」

 たった今増援に駆けつけたアシャー、ラムサス、ファントム、キャロルの4人が荒廃した『エンジェルス・グレイヴ』の大地に降り立つ。

 アシャーの姿を確認したスノウが、そちらに向き直る。

「久しぶりだな!アシャー!!会えて光栄だ!」

「っ!君は…」

「さぞかしいい暮らしだろう、大天使は!…メキジェウス様が死亡してその座に就いた後、メキジェウス様と同じ派閥であった我々天使達複数を地上に追放して、ありのままの天界を築いてきた気分は!?」

 その言葉に、距離をとったダグが反論する。

「何をいっている!?お前達を追放したのは…」

「黙れ!…小さい時から俺と同じ道を歩んできた貴様達2人が、地上に追放され惨めに死んでいった者達の無念を忘れ、なぜそんな偽善の世界で人間などと共に笑うのだ!?貴様等は!」

 さらにスノウは憎しみを込めた口調で言い放つ。

「もはやそんな世界の者に俺は従わない!この墓標を大宮殿に落さねば、我等の無念は晴らされん!邪魔するのならば、かかってこい!アシャー!」

 アシャーは苦い表情で、後ろにいたラムサスに言う。

「貴方達3人は、この『エンジェルス・グレイヴ』の動力源の破壊にいってください、ここから見えるあの屋敷のような建物の地下に、ありますから。スノウは私と、ダグで抑えます。」

 ラムサスはコクリとうなずき、ファントムとキャロルにもそのことを伝えると、3人は真っ直ぐに中央の屋敷を目指していった。

 スノウは、あえてその3人の邪魔はしなかった。

 動力部の護衛には例の2人と仲間の天使がいる。何も臆することは無い。

「…貴様とダグで、俺を倒そうというのか…」

 スノウは愛刀『黒薦・零型』を構え、ダグとアシャーは『ホーリーブレード』を構える。

「…貴様等の力がどれだけのものか、見せてもらおうじゃないか!」

 そして、旧友達の戦いは、始まった。


 


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